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2018/02/11

Wowow「チア☆ダン」感想

 あまり興行成績が伸びなかった映画なので、期待もせずに見たのですが、予想に反して面白かったです。

 まずは突っ込みどころから。

 ヒロインとその彼氏が「ちはやふる」と同じ広瀬すずと真剣佑で、しかも方言が福井弁とくると、これはもうデジャヴかと思っちゃうくらい。笑いました。

 笑いのツボが、かなり微妙な感じです。ここは笑うところなのかなと、毎回判断に苦しみました。ワンテンポ遅れて、役者が「そこ歌うんかい」などと突っ込みを入れてくれるので、ああ、ここはやっぱり笑っていいんだなと安心したり・・・。

 チームワークを乱すバレエ畑の女の子は、途中で袂を分かつのですが、その後どうなったのか、描かれていません。ちょっと消化不良な感じがします。

 身体能力で優るアメリカ人相手に、どうやって戦うのか、その戦略や分析等がまったくありません。決勝で突然センターを入れ替える理由も、映画の中では一切触れません。「笑顔だけじゃない何か」みたいなことをコーチが言うシーンがあったり、ヒロインの母親がチアやってたらしかったりと、いくつか作中で示唆はあるのですが、やや不十分な気がします。

 決勝で、皮下脂肪の多い女の子のダンスが魅力的に見えるシーンがなく、アナウンサーが前言撤回する根拠が見当たりません。

 以上ちまちまと重箱の隅を突きました。

 次に気に入ったところ。

 生徒たちの成長物語としてだけでなく、指導する先生の成長物語としても見られるようになっているところ。終盤で先生の苦悩が明かされるシーンには、じーんときてしまいました。

 当方Perfumeのファンなので、どうしても彼女たちのサクセスストーリーと比較して見てしまうのですが、共通点が多いことに驚きました。

 ①とにかくダンスが好き。

 ②よい先生に恵まれた。

 ③よい仲間に恵まれた。

 ④円陣を組んで本番前の緊張に克つ!

 ⑤身体能力でアメリカ人に劣っているのに、海外で成功させた。

 Perfumeも苦労して成功したグループなので、本作もついつい感情移入して見てしまいました。

 ただ、Perfumeの場合は、MIKIKO先生が「日本人でなければ表現できない」部分(奥ゆかしい品のよさ)で勝機を見いだしたので、「チア☆ダン」も何かそのあたり突っ込んでくれたら、一層高い評価をしたのですが・・・惜しい。

 実話ベースなだけあって、彼女たちの行く手を阻む障害も、一つや二つではなく、かなり複雑で、一筋縄ではいかないところが、本作の説得力を生み出す要因となっているように思います。生徒の各家庭の事情とか、個々のレベルアップのためにあえてチームの雰囲気を壊すとか、リーダーがあえて憎まれ役を引き受けるとか、なかなかにてんこ盛りです。バッサリ刈り込んで、「スイング・ガール」みたいに、あっさりさっくりエンタメ路線で行く方法もあったと思うのですが、あえてそうしなかった所に拍手を送りたいと思います。

 

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