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2017/07/02

WOWOW「セトウツミ」感想

 漫画が原作の映画。

 「セトウツミ」というタイトルは、主人公の瀬戸(せと)と内海(うつみ)の名前を組み合わせたもの。登場人物はほとんどこの二人だけ。

 大がかりなセットや、ど派手な演出一切なし。二人の男子高校生の会話だけで、ドラマは淡々と進行する。

 はっきり言って、映画にする必要性をまったく感じない。

 普通この手の作品は、演劇とか、深夜テレビとかでやるものなのでは? WOWOWで見るくらいが、ちょうどいいんじゃないかと思う。金払って映画館で見るものではない。

 じゃあ、なんでここで紹介するかというと・・・、それは当然おもしろかったからである。

 まずキャスティングが素晴らしい。お調子者の元サッカー部瀬戸を菅田将暉が、クールな秀才高校生の内海を池松壮亮が演じる。今もっとも旬な二人を使って、だらだらとしゃべるだけの映画をつくるという壮大な無駄遣い! でもそれが面白いのだからすごい。

 会話の内容は、瀬戸が片想いしている女の子に送るメールの文面を、内海に添削してもらったりとか、瀬戸が自宅で発生した小バエの駆除に困っていると、その駆除方法を内海が助言したりとか、ほとんどどうでもいいようなことばかりなのだ。

 普通の青春映画なら、「時間をもっと有意義なことに使え」とか、「何かに夢中になって打ち込んでみろ」とか、そういう王道のパターンがあるものだが、本作は真っ向からそれらを否定する。「走り回って汗かかなあかんのか」「なんかクリエイティヴなことせなあかんのか」「仲間と悪いことしたりせなあかんのか」「この川で暇をつぶすだけの青春があってもええんちゃうんか」

 だらだら話すその会話の中に、時々ちらりと青春が見え隠れする。この世の真理が一瞬示されたりする。結構深いのである。

 登場人物は少ないが、皆愛すべきキャラクターとして印象に残る。特に菅田将暉、いい役者だと思う。

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