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2016/11/13

佐藤多佳子「明るい夜に出かけて」感想

  「一瞬の風になれ」で有名になった佐藤多佳子氏の新作です。

 文体がすべて主人公の一人称、今時若者の口語で書かれているので、年寄りは慣れるまでに少し時間はかかりますが、大丈夫、慣れます(笑)。ラジオネタが次々出てきて、ラジオ聴かない身には何のことやら状態が続きますが、大丈夫、慣れます(笑)。とはいえ、カンバーバッジが出てきた時には「あ、知ってるネタ出た」ちょっと嬉しかったりしました。

 今回の主人公たちの設定は深夜ラジオリスナー。「オールナイトニッポン」に投降する常連さん。通称「職人」。 お互いラジオネームは知っていて、お互い「すげえオレ的ヒーローな職人」尊敬してて、そんな彼ら彼女らが思わぬところでリアルに出会う。それが夜のコンビニ。「明るい夜に出かけて」というタイトルが、後半でしみじみと心に染み渡ります。

 あらすじをざっくり紹介すると、ちょっと変わったキャラを持った登場人物たちが、よってたかってメンヘラな主人公を徐々に社会復帰させていくという、それだけなんです。でもその、ちょっと変わったキャラの登場人物たちが、後半になればなるほど、すごく愛おしくなってきます。才能あるのに見た目残念な女子高生、最高! でも個人的にはコンビニ店長兄が一番印象に残りました。毎日新聞朝刊の四コママンガ「桜田です!」に出てくる双子の先生とかぶってしまって(笑)。

 世の中の主流とは無関係に、ひっそりと、自分の居場所を見つけて生きていく。「デートをしたいとかじゃなくて、デートをする人たちが勝ちという世の中がなんとかならねえかな」・・・そんな若者を書かせたら、佐藤多佳子氏は相変わらず無敵だなあと感じました。

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