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2016/10/16

DVD「マジカル・ガール」感想

 スペイン映画。大人向け(PG12)です。

 導入部分が不穏です。バルバラという少女が、数学教師ダミアンの容貌を「仏頂面で残念」と書いたメモを授業中に回そうとして指導されます。このバルバラが、映画の中盤で大人となって再登場しますので、ぜひ覚えておいてください。超重要人物です。

 次に、白血病にかかったスペインの12歳の少女アリシアが、日本のアニメキャラ「魔法少女ユキコ」のコスプレをしたいという願いを書いたノートを、父親がこっそり読むシーンになります。余命僅かしかない娘の願いを叶えるため、父親はネットで値段を調べるのですが、なんと90万円!(ちなみにネットの検索サイトが「RAMPO」だったりする) どれくらいの値段なのかピンとこない父親は、ユーロに換算して初めて、それが有名デザイナーによる、とんでもなく高価な一点物であることを知ります。父親はどうやって娘の願いを叶えるのか? 娘は死ぬ前に幸せを手に入れることができるのか?

 日本の映画なら、父親が金を手に入れようと奮戦し、いろんな人と関わりを持って諭されて、結局モノじゃなくて、親子の触れあいが大事という着地点に行き着き、娘の安らかな最期を看取る・・・みたいなパターンになりそうです。

 また、アリシアがアニメ主題歌にあわせて踊るシーンがあるのですが、どうやらそれが、長山洋子のデビュー曲「春はSA-RA SA-RA」であるらしいのですね。このシーンだけ見たら、アニメオタク賛歌の映画と勘違いしそうです。

 ところが本作、後半で、「ええっ! そうなっちゃうの?」という驚きの展開を見せます。さらに、最初の不穏な導入部分がラストシーンに大きく関わってくるのですね! そう来るかーっ!!!  久々に、先の展開が全く予想できない作品と出会いました。いやびっくりしました。

 ダミアンが、完成直前のパズルをバラバラにするシーンがあります。その後の不穏な展開を暗示していて、なかなか恐ろしいです。

 音楽はスペインらしく、けだるいピアノ(サティの「グノシェンヌ」)が効果的に流れます。ところがエンディングに流れる曲は歌詞が日本語です。どうやら「黒蜥蜴」という邦画の曲らしいです。これの原作者は江戸川乱歩ですね。先ほど述べたネットの検索サイト「RAMPO」といい、長山洋子の曲といい、監督の日本文化への偏愛が伝わってくる作品です。

 

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