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2016/09/18

映画「君の名は。」感想

 BD化されてからゆっくり観るつもりであったのだが、異常なほどのブームとなってしまったため、ツタヤさんのレンタル順が限りなく遠のいていくであろうことを予感した私は、雨の日曜日ということもあり、劇場に足を運んだのであった。

 「秒速5センチメートル」のリメイク?

 過去の新海誠作品を観ている者ならば、おそらく皆、映画の終盤で同じ感想を持ったに違いない。音楽とストーリーとの絡み方もそっくりだ。ただ、ネタバレになるので書けないが、エンディングは違う形となっている(いやこれネタバレか《笑》?)。この点をどう評価するかは難しいところだ。「秒速~」の終わり方の方がよかったと言うファンも多いのではないか?

 ストーリーの展開は前半と後半で、テンポがまるで変わってくる。前半は、ぽんぽんと男女の入れ替わる様が楽しく、私の両隣に腰掛けていた小学生も笑いながら観ていた。後半になり、主人公のあれもこれもが行き詰まりだすと、当然テンポも悪くなるわけで、とたんに小学生たちは足をぶらぶらさせたり、カップの底に残ったジュースを最後の一滴まで飲み尽くそうとストローでズブズブやったり・・・。まあ、お子様にはつまらんわな(笑)。あと10分くらい切り詰めれば、小学生も最後まで集中して観てくれるのではなかろうか? 自転車でこけるシーンとか、走っていて、けつまづいてこけるシーンとか、いらないから。

 さて、新海誠作品。以前から背景の美しさには定評があったが、今作もいつもどおり、パープルとアンバーとブルーのグラデーションが随所にあり、さらに白い光線による過剰なまでの演出が、いやがうえにも人間が美しいと感じる色彩記憶をくすぐる。

 さらに前作「言の葉の庭」で示した木々の葉の細やかさ、水面の反射などの、本物以上のリアルさは、本作でもおおいにその威力を発揮! おおげさではなく、本当に息を飲んでしまう。

 美人の女の子に、さらに上手に化粧を施して、無敵の美人になったような感じとでも言えばいいだろうか?

 さらにさらに、今までの新海誠作品で弱点と言われ続けていたキャラクターの描写が、今回確実に一つレベルアップしている。前半はコミカルな展開でもあり、軽い描写で、過去の作品と同じく登場人物に重みがないのだが、後半になると俄然、ずっしりとした生身の重さが伝わってくる。

 おまけにシナリオも、かなりいい感じなのである。難をあげれば、どうやって父親を説得したのか、説明が不十分な点。ちゃんと伏線として、母親も不思議な力を持っていたことを描写しているのだから、そこをうまく使ってほしかった。でも、前作の「言の葉の庭」に比べれば、観ているこっちが小っ恥ずかしくなるような青臭さは大幅に減少している。

 背景の美しさ。キャラの生身感。音楽とのシンクロ率の高さ。三拍子揃ってきた。その上シナリオも、十分なレベルに達している。ついに新海誠もここまで来たか! という感じである。

 おそらく今後、ジブリ、ガイナックスと肩を並べる地位に就くことであろう。おめでとう新海誠監督。

 

 

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コメント

やはり、どうやって父親を説得したのか
そこが気になりますよね・・・。


やはり、自分の中でアニメ会社といったら、京都アニメーション!
京都アニメーション=売れる
の方程式が成り立ってます(笑)
最近では、「けいおん!」がNHKでも放送されるようになりました。

P.A.WORKSも凄いですよ
特に作画が綺麗です。
例えば「Charlotte」など・・・

この2作品時間があれば見て見てくださいね♪

投稿: koko | 2016/09/21 22:47

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