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2016/07/02

古野まほろ「新任巡査」感想

 作者の経歴がかなり変わっています。東大法学部を卒業し、交番、警察庁、警察大学等で勤務。2007年に小説家としてデビュー。一般人には何が何だかわからない経歴です。

 以前この作者の「背徳のぐるりよざ」を当ブログで紹介したことがあります。美少女が土臭い三河弁を語るその外見とのギャップの楽しさについて紹介したと思うのですね。

 だから、てっきり作者は三河近辺出身者かと思っていたのですが、本作を読むと、「愛予県」だとか「道後ベーカリー」とか「いよかんあんパン」とかが出てくるのですよ。どう考えてもモデルは愛媛県・・・え? じゃ作者は愛媛出身? 

 さて本書、ジャンル的には警察小説ということになるでしょう。全部で600ページを超えるのですが、そのうちの500ページくらいは新任巡査ライト君奮闘記なのです。とにかく新任巡査の仕事ぶりがひたすらリアルに描かれます。新任巡査を鍛えるベテラン係長や課長もリアルに描かれます。拾得物をちゃっかり着服する腐敗した同僚の存在もリアルに描かれます。作者本人も前書きで「リアリズムに基づくディティール」と述べています。

 だから、「警察官になるためには、どんなことを学ぶんですか?」「警察官の一日のお仕事って、どんなことをしてるんですか?」「どんな時にやりがいを感じますか?」「どんな苦労がありますか?」的な、中学生の職場体験学習用テキストにどんぴしゃりの内容だったりします。

 ところがラスト100ページあたりから、本書は突然急展開を見せるのですね。いやそのための伏線は、既にあちこちに丁寧に張ってあるのです。 それらがラスト100ページで見事に一本に束ねられてゆく、その快感! 赤間係長の独特の口癖「~だろう」も、そうかこのためだったのかと、感動・・・ていうか大爆笑。

 いい意味で見事に騙されるウソ話(小説)でした。楽しかった。

 

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