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2016/07/30

映画「シン・ゴジラ」感想

 3年前の「巨神兵東京に現る」で、口から吐き出すプロトン砲による「火の七日間」の凄惨さを見せつけてくれた庵野監督。今回のゴジラも、魅せてくれます。ぜひ大画面でその恐ろしさを堪能してください。

 ただし今回のゴジラは、とある事情によりしばしば休憩なさるので、その間に人間は対策考えるわけです。名付けてヤシオリ作戦。おそらくヤマタノオロチに飲ませた酒「八塩折」から来ていると思われます。が、エヴァのファンなら「ヤシマ作戦」の方を思いだすことでしょう。さてこの「ヤシオリ作戦」がどのような作戦なのかというと、「ヤシマ作戦」プラス「ヤマタノオロチ退治方法」÷2っぽい感じは確かにします。これ以上はネタバレになるので自粛! ご自分の目でお確かめください。

 最初の登場シーンは、なかなか笑わせてくれます。

「海底トンネル事故の原因はおそらく海底火山と思われます」「総理、巨大生物です」

「このような巨大生物の、地上への上陸はありえません」「総理、上陸しました」みたいな(笑)

 想定外の事が次々に発生するので、総理官邸は後手後手に回るのです。

 これって、東日本大震災で原発事故発生時に民主党の対策が後手後手に回ったことのパロディーですかね? あの時の、有事対応能力の低さが、いまだに民主党(イメージ悪過ぎるとか言って、今は名前変えましたが)が選挙で国民の信頼を得られない最大の原因となっているようです。

 前半で総理大臣は「民間人がいるのに自衛隊が発砲するわけにはいかない」とか言って迷走しまくります。この総理に選択を迫る防衛大臣は、余貴美子が演じているのですが、目力強く、なかなか凄みがあってよかったです。

 想定外の有事に際し、総理大臣なんか所詮飾り物とばかりに、縁の下の力持ち的立場の日本人たちが高い規範意識とボランティア精神を最大限に発揮し、一致団結して立ち向かっていくという、なかなかに感動的なストーリー。ゴジラは徹底的に悪役として、破壊神として東京を蹂躙します。

 登場人物が皆超高速でぺらぺら専門的なことを喋るので、情報量が多すぎて、一度見ただけでは何がなにやら理解しきれません。おそらくそうなるように意図して作ってあるんでしょう。フィクションですから、あまり深く突っ込まれると困るわけです。そうならないように、沢山それらしいことを喋らせて煙に巻いて、カモフラージュしているのでしょう。おかげで、なぜゴジラが活動できるのか、なんとなく納得している自分がいました(冷静に考えてみると、ちっともわかっていないんですけど)。

 音楽はゴジラオリジナル楽曲+時々エヴァという感じで、なかなかよかったです。

 テレビで巨大重機が何度も取り上げられ、ちょっとしたブームになっていますが、本作でも大活躍します。

 自衛隊も艦隊コレクション等によって、ちょっとしたブームになっていますが、本作でも大活躍します。おそらく過去最高レベルのリアルさです。特に十式戦車すごいです。

 相手の動きを予測し、次の一手、さらに次の次の手まで念入りに用意してあるところはまるでマンガ「ワールドトリガー」のよう。

 総じて、実によくできた娯楽映画だと思いました。核兵器の取り扱いも含めて、2年前のハリウッド版よりは断然本作の方を支持したいです。

 

 

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