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2015/11/15

BD「チャッピー」感想

 最初、「ショートサーキット」のリメイクかと思っていたのですが、そうではありませんでした。だとしたら、「ショートサーキット」との差別化をうまく図らないと、本作の存在意義がなくなってしまいます。

 一番の違いは、ロボットの教育係でしょう。「ショートサーキット」では、心優しい女性が、殺人兵器である軍事用ロボットに、人の心の優しさを教え込みました。おかげでたいへん心温まる作品となっていました。

 本作は警察ロボット「チャッピー」の教育係が3人います。

 一人はチャッピーの設計者。オタクな科学者なので、子育ても極端な方向に突っ走る傾向があります。そもそもチャッピーを育てようとする理由が、単純に自分の科学的好奇心を満たすためなので、「なんでバッテリー交換できないボディに僕を?」とチャッピーに詰め寄られても、うまく答えることが出来ないというように、性格に欠陥を抱えています。

 一人はギャングの女。チャッピーを見て、母性本能をくすぐられ、優しい子に育てようと愛情を注ぎます。

 もう一人はギャング。名前を「ニンジャ」! チャッピーに銃の撃ち方やスラングの使い方、相手に威圧感を与える歩き方などをレクチャーします。さらに、科学者から「人を傷つけてはいけない」と教わったチャッピーを「俺たちのために必要なんだ」と丸め込み、ギャングの仕事の片棒を担がせます。どんなに純情な少年でも、劣悪な環境の中では次第に悪に手を染めていかざるを得ないという現実を物語っていて、観ていて哀しくなりました。

 ただ、前半は積極的に悪党として描かれる「ニンジャ」に、いつのまにか感情移入してしまっている自分に気がついたりします。ニンジャいい奴かも。

 二番目の違いは、中盤から「ロボコップ」っぽくなるところでしょう。リモートコントロールされ、圧倒的な火力を持つ警察ロボットとの戦闘シーンは、「ロボコップ」リメイク版を上回っています。

 三番目の違いはラストシーン。「ショートサーキット」では、追っ手の目をどうやってくらますかというアイデアが肝だったんですが、本作は驚きの展開で、お口あんぐりとなります。それができちゃったら、全員生き返らせることも可能じゃん! どうすんだよ~! みたいな(笑)。

 チャッピーの動きの自然さにはびっくり。ギャングっぽい仕草や表情も本当にすごい。ただ、ロボットに心が育つかどうかは、ミラーニューロンに代わるプログラムを組み込み、他人の心に共感する能力を持たせられるかどうかにかかっていると思うのですが、そのあたりの描写がなかったのは、ちょっと残念でした。

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