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2015/06/07

森見登美彦「有頂天家族 二代目の帰朝」

 前作の続きである。前作の1年後という設定である。実際には前作が出版されたのが2007年、本作が2015年だから、実に8年ぶり。1作目は2013年にアニメ化もされ、おかげで私の頭の中では、本作のキャラはすべてアニメキャラの絵柄として立ち上がってくる。

 前作では、ついにその姿を弥三郎の前に現さなかった海星。本作ではその理由が明かされる。このあたりの描写が、本作の第一のハイライトと言えよう。お掃除ロボット○ン○を使った比喩がまず素晴らしい。次に古典の有名作品「鉢かづき」を使った比喩がこれまた素晴らしい。作者はどうしてこんなにも健気な女性を描くのが得意なのだろうか。究極のツンデレキャラである。

 第二のハイライトはやはりラストであろう。弁天と弥三郎のかなわぬ恋の描写が、実に切ない。同時に、作者はどうしてこんなにも強くて寂しい女性を描くのが得意なのだろうかと感じるのだ。究極のドSキャラである。

 ドラマのおおまかな進行パターンは、1作目と非常に似通っており、読んでいてデジャビュかと感じる読者も多いのではないだろうか。しかし上記の二点の存在により、本作は森見ファン必読の書となっている。

 ああ、アニメ化が今から待ち遠しい。

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