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2015/04/27

BD「猿の惑星 ライジング新世紀」感想

 相変わらず、何度リメイクされても、何度続編が作られても、このシリーズは第一作を越えられない。

 第一作以後は説明が多い。

 なぜ猿が地球を支配したのか。

 なぜ人類は衰退したのか。

 やれ、核戦争のせいだとか、ウイルスのせいだとか、時間を遡ったからだとか、そういう説明が映画のメインになってしまっている。「今すべての謎は解き明かされる」というやつだ。

 一作目だけが、

 そこは猿が支配する星だった。

 そこは地球で、かつてそこを支配していた人類は、その知能も文明も失って、猿に支配される立場になっていた。

 そして、その理由は明示されない。

 だからこそ、映画を観る我々は、人類が何かとんでもない過ちを犯してしまったのだということを悟り、それが何なのかを様々に想像する。そして戦慄する。ラストシーンの背筋が凍り付くようなあの衝撃は、今でも忘れられない。

 さて本作、「猿は猿を殺さない」と自分たちを美化しておきながら、猿同士で殺し合いが始まるというもの。そして「猿も人間と同じだ」と悟るというストーリー。

 だが、本作が作られるよりも遥か昔から(1990年代)、チンパンジーは部族間で人間と同じように争うし、タンパク源として、小型の猿アカコロブスを殺して喰うことは知られていた。この「猿は猿を殺す」「人間も猿と同じだ」という事実に、当時衝撃を受けた人も多かったのではないか。だから本作のテーマは、何を今更という感じである。本作の「猿も人間と同じだ」よりもはるか以前から、「人間も猿と同じだ」という事実を、我々は知っているのだから。

 だいたい、人が延々とその歴史の中で繰り返してきた権力闘争のパターンを猿に置き換えただけの本作、観ていて何の新鮮味も感じない。

 「猿の惑星」第一作を越えるような、観る者に衝撃と強烈な内省を与えるようなアイデアは、もうないのだろうか?

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