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2015/02/08

BD「運動靴と赤い金魚」感想

 イラン映画です。しかも1997年制作。ずいぶん昔の映画をなんで今更? もちろん理由があります。2012年にBDで販売されたから紹介するというのも一つ。でも、そんなことよりも、今、現在、こういう状況だからこそ、本作を紹介したいのです。

 「あなたのしていることは、ちゃんとお天道様が見ているよ。」そういう感覚は、日本人の子どものしつけとして、ずっと昔からあったと思います。悪いことをしても、良いことをしても、ちゃんとお天道様が見ている。だから悪いことをすれば、必ずバチがあたるし、良いことをすれば、いつかそれが必ず自分に返ってくるよと。

 その教えは、何も日本だけの事じゃない。国が違っても宗教が違っても、それは変わりがないんだということを、この映画を観て、強く感じました。

 確かに最初本作を見たときは、たとえば男女別々の時間帯で授業を受ける事とか、お茶をみんなで飲む宗教的儀式だとか、そういった異国の文化にばかり目が行くかもしれません。また、たかが運動靴一足買えない兄妹の家庭環境に、見ていて胸を痛めるかもしれません。

 しかし、本作のタイトルは「運動靴と赤い金魚」であり、そして主人公である兄は、妹に新しい運動靴を持って帰るべく、マラソン大会で2位に入ろう(2位の商品が運動靴)と、涙ぐましい努力をするのです。

 そうしてラストシーン。兄は妹の望みを叶えることができず、失意の底に沈みます。でも、お天道様は、彼のがんばりをちゃんと見ていた。それを映像で象徴的に表現するのですね。何度見てもじんと来るラストシーンです。

 イスラム圏の人々を十把一絡げに悪人扱いしそうな風潮の今だからこそ、こんな少年がイランに住んでいるんだよと、多くの人に知ってもらいたい。そんな作品です。

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