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2014/11/30

乾緑郎「機巧のイヴ」感想

 以前、ダンゴムシの生態についての本を読んだことがある。ダンゴムシはなぜ、障害物にぶつかるたびに、左右交互に方向転換を行うのか? という例の有名な「ダンゴムシの迷路」について説明があった。触覚と脚の構造が、あの不思議な動きをオートマチックに発生させるのだと。自動的にそう動くように体ができているのだと。

 上から人の目で見ると、あたかもダンゴムシには心があるかのように見える行動も、実はシンプルなメカニズムによるものらしい。

 では、人の心とは何なのか? これもやはり、メカニズムにすぎないのか? 

 本書は、その「心」をテーマにしたSF小説である。江戸時代を彷彿とさせる架空の世界で、ゼンマイ仕掛けのアンドロイドをヒロインにして、この命題を問う。

 随所に作者から読者への問いかけがなされるが、これが、こちらの知的好奇心をくすぐるくすぐる。古典的な質問ではあるのだが、いやわかっちゃいるのだが、こういう質問、大好きです。

「心を司る部品など、伊武をどんなに分解したところで出てこない。だが、それは人間も同じではないのか」

「人と人との間でも、相手が何を思っているか、本当はわからないんでしょう?」

「古い部品と新しい部品を、少しずつ取り替えて行き、最後にはすっかり全部交換して、古い部品だけを使って組み直したら、本物はどちらということになるのでしょうね」

 腕時計も最近は、ソーラーパネルよりも、ゼンマイ仕掛けのほうが、人気があるようで。

 

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