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2014/10/12

BD「ラッシュ/プライドと友情」感想

 『1976年、F1黄金時代。情熱的なジェームス・ハントと頭脳派のニキ・ラウダという、正反対の二人の対決に世界中が熱狂。F1史上、もっともドラマチックと言われる衝撃の実話がドラマ性を交えて描かれる。』という謳い文句の映画なんですが、まさしくその通りの素晴らしいドラマでした。

 あまりにすばらしすぎて、ノンフィクションはしばしばフィクションを上回る! と感動する場面多々。

 特に最後の富士スピードウェイ戦。ニキはピットがタイヤ交換に手間取ったため、大幅にタイムをロスする。豪雨の中、順位を挽回することは不可能に近い。普通のフィクションライターなら、前回の事故のトラウマを乗り越える為にも、無理してレースを続け、感動的な逆転劇を演じるシナリオにするでしょう。しかし、実話ではニキはレースを棄権する。前走車があげる水飛沫のため、視界がまったくない中、無理して前走車を抜くのは自殺行為。

 ライバルのハントも、トップを走っていたのにタイヤトラブルでピットインし、大幅にタイムロスする。年間チャンピオンを獲得するには、この豪雨の中、3位以内に入ってポイントを獲得しなければならない。フィクションなら、ここから猛烈なアタックを描き、奇跡的な逆転勝利を描くでしょう。しかし、実話ではそうはならない。

 リアルです。

 「お前がいたからここに戻ってきたんだ」

 瀕死の大火傷からレースに復帰したニキ・ラウダのセリフにもしびれました。ハントが次々にレースに勝ちまくる映像を見なかったら、きっとニキは、そのままベッドの中で息絶えていたでしょう。

 個人的にお気に入りのシーンを一つ。 

 ニキが、ある美しい女性の運転する車に乗せてもらうシーン。「ファンベルトがおかしい」「フロントタイヤが片方空気圧足りない」助手席でニキが女性に言うのですが、女性は「そんなことないわ。一流の整備士にみてもらったばかりよ」と返す。案の定、しばらくして車はエンジントラブルで止まってしまう。しかたなく通りすがりの車を止めて乗せてもらおうとするのです。女性が「まあ見てなさいよ」とばかり、自信たっぷりに道に立つ。男が二人乗った小型のBMWが、通り過ぎ、しばらくして止まる。「どう? 私の魅力は?」とばかりに女がニキを振り返って笑う。ところが、BMWの男たちは車から降りるなり「ニキだ。」「ニキ・ラウダだ。」「車が故障したんなら、ぜひオレの車を運転してくれ」「やった、ニキ・ラウダがオレの車のハンドル握ってる」「どうやって友達に自慢しよう? ニキがオレの車運転したんだぞって」後部座席で大の男が二人して大喜び!

・・・女の方は、ニキのことなんか全然知らないから、BMWの男たちが、自分の魅力ではなく、ニキ・ラウダという、どうやら有名人らしい謎の男のせいで車を止めたらしい、その事実がどうしても納得できない。「あなた、何者?」「え、あんた知らないのか?」「F1ドライバーのニキ・ラウダだよ」

いやこれ、この部分は絶対フィクションじゃないかと思うんですけど、こういうバカ話、大好きです。ドレスを着た美しい女よりも、見た目冴えないF1レーサーの方が、男たちにとってはよっぽど大事っていう、実に子どもっぽい価値観・・・ホント大好きです。 

 いやあ、感動したし、おもしろかったし、ホントいい映画でした。できたら同じスタッフで、今度はケヴィン・シュワンツとウェイン・レイニーの映画撮ってほしいです(オートバイ500CCロードレース世界選手権1993年の二人の戦いは、ニキとハントのドラマに負けず劣らずの素晴らしいノンフィクションですので)。

 

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