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2014/08/03

DVD「箱入り息子の恋」感想

 人見知りが激しく、容姿もぱっとしない35歳独身男子。毎日職場と家の往復だけで1日が終わる。しかも家に帰ればテレビゲームばかりやっている、そんな息子を23年間黙認しつづける両親。しかし、ある日ついに両親は、息子の婚活のために、親による代理見合いを始める・・・というのが本作のプロローグ。

 今朝NHKで、就職しない若者が増えている理由について「今の親は、子どもが苦労しなくてすむような道ばかり歩ませてきた。だから、いざ社会に出て茨の道を進まなければいけなくなった時、若者はそれに耐えられなくなっている」みたいなことを述べていた。

 本作でも、父親は「我々が子離れしなくちゃ」と叫ぶシーンがある。ごもっとも!

 さらに、リクルート進学総研の「高校生価値意識調査2014」によると、

「将来結婚したい」=男子75.8% 女子74.8%

「将来結婚できる」=男子33.4% 女子33.1%

となっている。我が家にも結婚適齢期を迎える娘と息子がいる。妻は娘に「私は23歳で結婚したわよ」と、臆することなくプレッシャーをかけている。

 つまり本作は、我が家にとっても、全国の結婚適齢期の子どもを持つ家庭にとっても、全く持って他人事ではない、実に深刻かつ普遍的な問題をテーマとしているのだ。当然映画の登場人物たちを、婚活うまくいってほしいと応援的目線で見てしまうのは仕方ない。

以下、ややネタバレあります。ご注意ください。

ネタバレ注意! ネタバレ注意! ネタバレ注意!

 それだけに1時間30分経過したあたりの、牛丼チェーン店以後の展開が、実に残念でならない。彼女との関わりを確実なものにする大きなチャンスを、彼はみすみす逃してしまう。

 さらにラスト二度目の入院シーンには、思わず「デジャヴ?」とつぶやいてしまった。同じパターンの繰り返しはやめてくれ。

 本作はメタファーとして、水槽で飼われているカエルが登場する。脚の吸盤で水槽のガラス面にへばりつき、何とかはいあがって、外の世界へ脱出しようとする。カエルは主人公を、水槽は主人公を取り囲む現状を表している。ストーリーをオーソドックスに考えれば、カエルは水槽から脱出し、外敵だらけの外の世界へと踏み出す。そういう流れになるはず。

 ところが本作のラストは、まるでストーカー。それ犯罪だろ! 

 全力で走って走って、その挙げ句が、それですか? カエルそのままに、鳴き声で異性を引きつけ、カエルそのままに交尾に及ぶ・・・。それは愛とは呼ばない。カエル同様、本能に忠実なだけ!

 「気持ち悪い」・・・エヴァンゲリオンでアスカがシンジに吐き捨てたセリフを思い出してしまった。

 単なる主人公成長譚にはしたくなかったのかも知れないが、「こんな男子は、生理的に受けつけられません」という女性は多い事だろう。ウジウジした男はしょせんウジウジしたエンディングしか与えられないという事なのだろうか?

 補足。ヒロインの夏帆は、なかなか演技の幅が広がってきつつあるなあと感じた。

 

 

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