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2014/05/26

BD「ゼロ・グラビティ」感想

 宇宙ステーションで作業中の宇宙飛行士が、デブリ(宇宙空間のゴミ。軌道衛生上を高速で飛来してくる)の大量飛来により、一人、また一人と命を落としていく。最後に生き残った女性飛行士も、いったんは生存をあきらめるのだが、低酸素状態で見た幻覚の中で、仲間の宇宙飛行士から生還のヒントを聞き、無事地球に戻ってくるという、非常にシンプルなストーリー。

 見所はタイトルどおり、ゼロ・グラビティ(重力ゼロ)の映像表現。

 重力も空気抵抗もないから、一度右に進んだら、ずーっと右に進み続ける。止まりたければ、逆方向に何かを噴出しなければならない。おーい、とまってくれー。

 で、ロープがからまった場合、びょーんと限界まで行ったら、次に逆方向へびよーん。また元の方向へびよーん。永遠にこの繰り返し。おーい、とまってくれー。

 重力ゼロだけじゃなく、空気もゼロなので、宇宙ステーションのエアロックを外側から無造作に開けると、中のエアが外部へ噴出。ドアは思い切り外へばったーん。ドアの取っ手を持っていた飛行士は「うがあ!」危険です!

 重力ゼロだけじゃなく、温度もゼロなので、デブリの直撃をくらった飛行士は、デブリが貫通した穴のある状態そのままで凍りついている。うわあ、見たくないよー。

 もう生きて帰れない、絶望に涙を流す女性飛行士。その涙が、頬を離れてぷわわんと空間に浮かぶ。凸レンズとなった球状の涙の中に、女性飛行士の姿が映る。美しい・・・。

 かっこよかったのは、ラスト。地上に生還した女性飛行士が立ち上がるシーン。今までゼロ・グラビティの世界にいたから、地上の重力に慣れておらず、うまく立てない。

 エヴァンゲリオン第一回の「立った」とか、ガンダム第一回の「立った」とか、アルプスの少女ハイジの親友クララが「立った」とか、立ちあがるシーンは名シーンが多いですけど、本作の立って歩き出すシーンも、実に感動的です。

 

 

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