« 綾瀬まる「骨を彩る」感想 | トップページ | 古野まほろ「背徳のぐるりよざ」感想 »

2014/03/23

乾ルカ「向かい風で飛べ!」感想

 ソチオリンピックで、高梨沙羅がメダルを逃した時、知人が「4年後にまたがんばればいい」と言った。アマノジャクな私はこう答えた。「高梨沙羅が、4年後も今の体型、今の体重のままとは限らない。彼女は今の体型がベストバランス。だから、誰よりも遠くへ飛べる。バランスが少しでも狂えば、今と同じ記録は出せなくなるだろう。彼女は17歳から21歳になる間に、おそらく大人の体型に変化するはず。4年後の彼女に過度の期待をするのは酷と言うものだ。浅田真央だって、15歳のころはもっと軽やかにクルクルとジャンプしていたではないか。女の子は大人の体型になったら、そう簡単には飛べなくなるのだよ。」

 

 本作はジャンプの天才少女理子と、理子にあこがれてジャンプの世界に足を踏み入れたさつき。二人の中学生が、お互い切磋琢磨しながら成長してゆく、王道のストーリー。天才少女理子が、成長に伴う体型変化により、いきなり平凡な記録しか出せなくなる。その試練をいかにして乗り越えていくか、そこが本作の読みどころである。ダブルヒロインということで、しかも美少女とやや天然系、二人の組み合わせに、なんとなく「あまちゃん」が思い出される。

 高梨沙羅が向かい風に恵まれず、メダルを逃したというストーリーを我々はすでに目にしているわけだが、その2ヶ月前に発行された本書のタイトルは「向かい風で飛べ!」。ジャンプは向かい風のほうが記録が伸びる。それを人生訓っぽく表現したタイトルである。しかも、ヒロインが周囲の期待に応えられず、失意の底に沈むという、まるで高梨沙羅のあの時の状況を予言したかのようなストーリー展開に、びっくりさせられる。

 ただ、高梨沙羅も浅田真央も、メダルが取れなかったその後が、とにかくすごかったのは皆さんご存じの通り。そしてそれは本書のヒロインもだ。

 余談だが、空母も艦載機を確実に発艦させるため、風上に向かって全速力で航行すると言う。まさに「向かい風で飛べ!」である。ところで某国の空母、ある大国から購入したのはいいが、エンジンは自前で用意せねばならなかったらしい。空母に積んだ某国国産のエンジンは性能がそれほどよくないらしく、そのためこの空母は十分な速力が出せず、ごく限られた条件でしか発艦できないそうだ。

 

|

« 綾瀬まる「骨を彩る」感想 | トップページ | 古野まほろ「背徳のぐるりよざ」感想 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/49249/59342927

この記事へのトラックバック一覧です: 乾ルカ「向かい風で飛べ!」感想:

« 綾瀬まる「骨を彩る」感想 | トップページ | 古野まほろ「背徳のぐるりよざ」感想 »