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2014/03/02

恒川光太郎「金色機械」感想

 SF小説です

 SF小説ですが、時代は戦国~江戸時代初期。そこになんと異星人の置き土産である、全身金色のロボットがいたという設定。このロボットが、ターミネーターばりに無敵なのです。当初は故郷から迎えが来るまで異星人を守護する役目だったのですが、その異星人が全滅して、自分の存在意義を見失います。しばらく機能停止の状態が続き、そして、本作のヒロイン、遥香と出会う。

 ちなみに「こんじき」とは読まず、「きんいろ」と読みます。村民たちからは「きんいろさま」と崇めたてまつられてます。

 なかなかぶっ飛んだ設定のSF小説ですが、テーマは生と死について。不死のアンドロイド「金色様」と関わる登場人物たちは、様々な形で死と向き合っています。そして彼らは死を恐れていないのです。たとえばヒロインの遥香は、手を相手の胸にかざすことで安楽死させることのできる不思議な力を持っている。そのため、老人たちから「あんたの力で早く楽にさせてくれ。」と懇願されるのです。

 「金色様」は、遥香に関わり、死ばかり見つめていた彼女に、生へのベクトルを与えます。機械がヒトにそのような関わりをするというところが、本作のポイント。ダークな世界観のこの小説に、美しい光をもたらします。

 

 さらに、不死の体を持つ「金色様」、そのラストがどのようなものになるのか。最後まで目の離せない小説でした。

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