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2014/02/16

上岡陽江+大嶋栄子「その後の不自由」感想

 幼少期に虐待を受けて育った人は、どうしてリストカットしたり、過食症になったりするのだろう。DVを経験した人が、よりによって、なぜ見るからに危ない人とばかりつきあうのだろう。どうして自ら、幸せになれる道から外れていこうとばかりするのだろう? どうして、どんどん人間関係をぶち壊していくんだろう? ますます不幸になるってことが、目に見えているのに・・・。

 

 そんな疑問に本書は明確な答えを用意してくます。なにしろ筆者がまさに当事者ですから、説得力があります。そうだったのか、人の心とはそういう仕組みになっているのかと、驚きながら読みました。さらに本書、図解入りなので、とにかく見てぱっとわかります。

 日常的な暴力や極度な緊張感、両親の問題などを背負って育った子どもは、自分の心の痛みを感じなくなる。他人の心の痛みと、自分の心の痛みとの境界線を壊されてしまう。そうなると、自分の問題には責任を持たなくなるかわりに、他人の問題の責任をとろうとする。だから、ヤクザさんや、暴走族さんとくっついてしまう・・・などなど。

 様々な映画や小説で、彼女たちに救いの手を差し伸べるストーリーが語られてきました。「八日目の蝉」「嫌われ松子の一生」「クワイエットルームにようこそ」「あなたになら言える秘密のこと」などなど。しかし、本書を読むと、どうやら「回復とは回復し続けること」であって、明確にゴールというものはないのだとわかってきます。

 とりあえず、愚痴をきちんと毎日聞いていく。それくらいが自分にできる精一杯のことらしいとわかりました。がんばります。

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