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2013/05/26

DVD「桐島、部活やめるってよ」感想

 原作の感想は以前このブログでアップしました。さて、映画化は成功したと言えるでしょうか?

「ダサいかダサくないかでとりあえず人をふるいにかけて、ランク付けして、目立ったモン勝ちで、そういうふうにしか考えられないんだろうな。」「いけてるか、いけてないかでランク付けする女子高生はつまらない。」
という、私のお気に入りの部分はカットされていました。 そのかわり、外見はいけてる(らしい)んだけど、人として、とことんつまらないことをする女子高生が二人登場(うち一人はCancamモデルの山本美月)。観客のムカツキ度をいやが上にも高めてくれます。
 映画大好きで、映画部で自主制作映画を撮る、外見はちっともイケてない男子を、かつて美少年で有名だった神木隆之介が演じています。キャスティングミスじゃないかと心配しましたが、メガネかけたりして、美少年オーラを封印し、なんとか乗り切っています。
 一方、外見はイケてるんだけど、実はそんなことよりも映画が大好きなポニーテールの女子高生を演じるのは橋本愛(映画ではポニーテールじゃないけど)。今やNHK「あまちゃん」の高視聴率を能年玲奈とのダブルエースで支える期待の新人。はっとするほど切れ長な目は、深く印象に残ります(ほんの少し前は、「大木家のたのしい旅行」とかいう映画で緑色の鬼の役やってましたけど)。
 原作では、もっとはっきりと映画大好き女の子という設定だったのですが、映画ではイケテル派イケテナイ派のどちらにもいい顔するみたいな、悪く言えばコウモリみたいなどっちつかずキャラになっていました。みんなにこっそり隠れて彼氏作ってるし。せっかくの美少女なのにもったいなかったです。でもラストでちょっとだけ立ち位置に変化が起きそうな行動をするので、まあよかったかな。

「映画とか野球とか、何かに熱中してるやつがまぶしい。本気でやって何もできない自分を知ることが、一番怖かった。」
・・・みたいな原作の独白も好きだったのですが、これもカット。そのかわり、東出昌大君の演技と映画的な演出でそれを表現しようとしています。神木君の映画への熱いパッションに触れ、思わず東出君が涙流すシーンとか、野球部のナイター練習を見つめるラストシーンとか。
 映画は小説と違って、文章ではなく映像で登場人物の心理描写をするわけですから、こういうシーンの意味が、観客にどれほど伝わったかで、本作の評価は大きく変わるのではないでしょうか? 原作読んでたら何となくわかるんでしょうけど、何も知らずに映画だけ観た人に、このシーンって、きちんと伝わったんでしょうか? ラストシーン意味わからんかったという人にとっては本作は、美少女橋本愛とイケメン東出君の二人が見られてよかったね! で終わってしまいそうな気もします。それだと、なんだかもったいないかな。

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