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2012/07/22

DVD『灼熱の魂」感想

 邦題は「灼熱の魂」。カナダ・フランス合作映画です。

 テーマは「憎しみの連鎖は断ち切れるのか」という、昔からよく取り上げられてきたものです。愛する人を殺された者は、恨みを晴らすべく、敵討ちを実行する。しかし、そうして殺された者の家族が、今度はその恨みを晴らすべく、あらたな憎しみを心の内に抱く。そしてその連鎖は、誰かが止めなければ、永遠に続く。どうすればこの悲劇を食い止めることができるのか?

 本作は、そのテーマに対する回答を、今までとは全く違う切り口、ドラマによって提示します。ただ、そのドラマが、あまりにも一般の倫理観ではありえない描き方なため、最初見た時は、徹底的に打ちのめされました。そしてだんだん腹がたってきました。

 たぶん、これに近いことは、中東のどこかで、内戦で、実際にあったのでしょう。しかし、こんな方法で解決できるのは、この映画の、この登場人物だけではないのか? 他の人たちは一体どうしろと?

 ラストで、特殊な事情が明かされ、父の、そして兄の罪を許さざるをえなくなった姉弟。しかし、本当に心の底から許せるのか? これは本当の解決なのか?

 いや、全然解決にはなっていない。だが、こういう形ででも、どんな形でも、とにかく相手を許すしかないのじゃないのか・・・と本作は語っているのでしょうか?

 いくら考えても、答えが出てきそうにない気がしました。重たい映画です。

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