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2012/02/11

DVD「少女たちの羅針盤」感想

 1年ほど前、ふくやま美術館に行きました。その時、美術館に置いてあったパンフレットの一つに、本作がありまして、興味を持った次第です。多分、ほとんど上映されていないと思います。ふくやま美術館でもロケしたそうで、美術館前の作品が印象的に使われています(赤いウニョウニョしたリンゴ型鉄骨がそうです)。

 ストーリーは、演劇を愛する女子高生たちの成長物語と、ミステリーを、無理矢理合体させたみたいな感じです。原作も読みました。作家は水生大海。2008年ばらのまち福山ミステリー文学新人賞の優秀賞だそうです。ミステリー部分は、正直なんだかなあという感じです。昔「刑事コロンボ」というTVドラマがありました。状況証拠の積み重ねで、犯人に精神的ダメージをじわじわと与え、ついには自供させる・・・というパターンが楽しい刑事ドラマでした。強いていえば、まあ、そのパターンに近いかな。

 映画の方は、演劇女子高生成長物語としては、なかなか王道でよかったと思います。4人の女子高生を演じているのが、成海璃子、忽那汐里(ポッキーのCMの子です)、草刈麻有、森田彩華など、若手有望株ばかりで、フレッシュな演技が、たいへんすがすがしかったのもポイント高しです。草刈麻有は、後で知ったのですが、なんと草刈正雄のお子さんなんですね。驚きました。

 そして、彼女たちが演じる劇、「生死のサカイ」、これがなかなか面白いのですよ。4人の演技も素晴らしい。ピーンと張り詰めた緊迫感があり、熱い思いがビシビシ伝わってきます。シンプルだけど効果的な演出もGood! これだけでも、立派に作品として通用しそうなくらいです。セルDVDだと、特典として劇のフルバージョンを収録したDVDが、おまけで付いてくるらしいのですが、レンタルDVDにはなくって、すごく残念。

 あと、広島県福山市というと、Perfumeファンの方はピンと来ることでしょう。そう。「のっち」の故郷です。本作にはPerfumeは登場しませんが、随所にPerfumeを感じさせる仕掛けや演出があります。

 まず劇団名の「羅針盤」。4人の氏名の漢字に、それぞれ東西南北が含まれることから、命名されたことになっています。「Perfume」も、3人の名前にそれぞれ「香」という漢字が含まれることから、香水という意味のグループ名にした、というエピソードは、ファンなら皆知っています。

 また、ストリートライブでの熱演が、ネットによる口コミで徐々に広まり、人気が出てくるというパターンも似ています。

 リーダーが、他のグループから、才能のある子を引き抜いてくる所まで同じです(映画では、成海璃子が、他の高校演劇部の忽那汐里をスカウトする。Perfumeでは、あ~ちゃんが、のっちをスカウトする)。

 さらに、4人は劇の本番前に、不安を打ち消すため、手を重ね合わせて気合い入れをするのですね。これもPerfumeファンなら、「ああ、あれね」と思い当たることでしょう。

 原作は2008年に発表されたとのことですが、2005年にメジャーデビューしたPerfumeが、苦境を乗り越え、ついにオリコン1位を取り始めた時期と一致します。作者はPefumeのファンなのでしょうか(笑)。

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