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2011/08/14

映画「ダンシング・チャップリン」感想

 「周防監督が草刈民代と結婚したのは、彼女の実家がとんでもない資産家だからだそうよ」

 映画を見終えた妻がそう言い出した。

 「この映画、ヒロインは別に草刈民代でなくてもよかったよね。ダンサーのルイジは、草刈民代の資産にものを言わせて、ローラン・プティを説得したんじゃない? ルイジは自分のダンスを映像に残したかった。周防監督はダンシング・チャップリンを映画に撮りたかった。草刈民代は自分を使って撮って欲しかった。今回、三者ともに利害が一致したわけね。周防監督と草刈民代、結婚してよかったんじゃない?」

 せっかくよい映像を観た後だというのに、身も蓋もないことをおっしゃるなあ。

 ドキュメンタリーの場面で、ローラン・プティが「そのまま何も小細工せず撮ってくれ。だってここに、こんなに素晴らしい二人のダンサーがいるじゃないか」と周防監督に言うシーンがある。なんだか、とびきりいきのいい魚を前にして、「そのまま活け作りにしてくれ」と言うローラン・プティ。「いやいや、これは下味つけてグリルして、特製ソースをかけて召し上がったほうがいい」と言うコック長周防監督の図・・・みたいであった。和食を主張するのがフランス人で、フランス料理を主張するのが日本人というところが面白い。まあ、最近のフレンチは和食の技法を取り入れているとも聞くし。

 監督にしてみれば、そのまま客席から撮ったのでは、監督の仕事がなくなってしまう。熟練のカメラマンがいればそれで終わり。それでは困る。そういうわけで、ローラン・プティには内緒で、二人の警官のシーンは屋外の公園で撮影したそうだ。試写会でローラン・プティ泣いて喜んだからよかったけど、完全な結果オーライである。その他にも、ズームやパン、さらには俯瞰で撮ったりと、映画的なカメラワークはそれなりに入っている。

 もし、本作をディスクで販売するのなら、マルチアングルカメラの機能を使って、正面客席カメラからの映像(和食ね)と、周防監督がいじくりまわした映像(フランス料理ね)の両方を見られるようにしてくれると面白いんだけどなあ。まあ、絶対しないでしょうけど。

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