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2011/06/18

DVD「彼女が消えた浜辺」感想

 イラン映画です。宣伝文句には

「週末旅行を楽しもうと避暑地にやってきた男女グループ。しかし、2日目になってエリが忽然と姿を消す。残された者たちは半ばパニックに陥いりながら、さまざまな可能性を話し合うが、やがて意外な事実に気付く。エリの素性を知るものが誰もいないということに。そして3日目・・・スリリングな設定で描く心理サスペンス。」

みたいなことが書いてありましたが、はてサスペンスですか、これ? 

 イランでの、浮気をした女性に対する社会的、宗教的制裁が、どのようなものであるか、映画を見るうちに日本人である我々にも段々わかってきます。 男女グループは、消えた女性エリが婚約していたことを知っていたかどうかで、受ける制裁が、大きく変わるらしいのです。女性が浮気した場合、婚約者である男性には、浮気した者(妻となるはずだった女性と、浮気相手の男性両方)を殺す権利が与えられるらしいのですね。

 そういうわけで、映画の前半ではみんないい人達だったこのグループ、後半に入るとみんな保身のため、自分の身かわいさで、大嘘をつきまくります。悲嘆にくれる婚約者を欺こうとします。正直に真実を告げようとする者を殴り倒します。「こうするのがみんなのために一番良いんだ」「でも、それじゃエリの立場はどうなるの?」

 どう見ても、男に都合のいいようにできている、浮気女性に対するこのイランの社会的、宗教的制裁。 映画中盤、エリが砂浜で無心に凧を飛ばすシーンがあります。この凧のように、彼女も自由に空を飛びたかったのかも知れません。同時に、飛びたくても所詮凧は凧。糸で地上から操る者から逃れることはできないのですね。そんなメタファーとして感じられました。

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