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2011/02/26

DVD「BECK」感想

 妻が映画館で観て絶賛した作品です。美形がぞろぞろ出てきて、ため息が出たそうです。注目はゲゲゲで一躍国民的存在となった向井君。本作では演奏中常に上半身裸で、引き締まった筋肉を思う存分見てください状態で、ベースをブンブン弾いています。でも、柱の陰に「お父ちゃん」とか言う布美枝さんが、隠れていそうな気がして困りました。ゲゲゲの影は、今後しばらくついてまわりそうです。
 妻のお気に入りはむしろ、後ろでドラム叩いている中村君。なるほど確かに、いい表情しています。が、しかし、私が注目したのは、この中村君を追いかける女子高生。演じるのは倉内沙莉。設定として、新体操部1年生となっています。すると当然、途中レオタード姿で中村君に話しかけるサービスカットが出てきたりするわけです。これがなんとも実に素晴らしい(笑)。ウエスト細いし、好きな男の子の前でがんばって精一杯の笑顔作ってます感がキュートだし。

 さて、本作、最近小説を書いて有名になった水嶋ヒロ君が主役です(読んでませんけど)。奇跡の声の持ち主として、ベックのメインヴォーカルの座を獲得します。その声を聞けば、その場にいる誰もが我を忘れ、その素晴らしさにうっとりとするという設定。でも、そうなると、いったい誰がその声を演じるのかということになります。水嶋ヒロ本人なのか? それとも、プロの歌手にあててもらうのか? 本作はこの部分の演出を、思い切った手法で乗り切っています。なんと、全編、ヴォーカル部分を、ヴァイオリンなどを使った倍音成分たっぷりのインストルメンタルで置き換えるというものです。さらにその間、映像に特殊効果を多用し、ヴォーカルの美しさを象徴的に観る者にイメージさせるのです。最初だけかと思っていたら、最後の最後までこの手法で押し通しました。二度目のシーンの時、これはきっとこんな声なんだろうなと、私の頭の中で声のイメージが出来上がってしまいました。だから、ラストのコンサート、もし本物の声を使っていたら、きっと私のイメージと食い違い、期待が裏切られたような気持ちになったかと思います。裏切られることがなかったのが、よかったです。
 ストーリーはマンガ原作なので、無理矢理ドラマチックをぎゅっと押し込んだ感があります。しかし、「世の中には、奇跡としか言いようのない出会いによってできてるバンドがある」というテーマは、しっかり伝わってくる仕上がりになっています。まさに奇跡の瞬間に立ち会うことができた。その幸せを、じーんと味わうことができました。よかったです。

 ところで、マンガの世界ではなく、リアルな世界で、これと同じように、奇跡の出会いから、成功を収めたアイドルグループがあります。3人組なんですが、3人の声があわさった時の倍音成分の豊かさときたら。しかもアイドルのくせに、この3年間、ライブハウスやロックフェスに出ては満員の会場でモッシュ(興奮した観客がリズムに合わせ体をぶつけあう)やクラウド(興奮した観客が、他の観客の上にダイブする・・・BECKでもおじさんがやってました)を発生させまくってます。BECKに負けてません。どなたか、こちらのほうを是非映画化してもらいたい(無理か)。

 もたいまさこ、特別出演ということで、一瞬だけ、写真で登場します。笑いました。

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