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2010/08/08

DVD「ゴールデンスランバー」感想

 妻と娘が以前映画館で観て「よかったよ」と言っていたので、期待してDVDレンタルしました。

 原作は以前、このブログで手放しで褒めた記憶があります。しかし、映画の出来もたいへん素晴らしいものになっています。

 冒頭のシーンは、原作を読んだ人なら、「あ、あのシーンを最初に持ってきたか」と唸ることでしょう。このシーン、監督は伏線を張ってるんですが、ちゃんとラストですっきり明かしてくれます。

 主役を演じるのは堺雅人。政府の罠にはめられ、友だちだと思ってた人物が実は、相手側の手先とわかり、誰も信じられなくなります。そんな絶望的な状況の中、主人公を信じ、救いの手を差しのべてくれる人たちの存在。それに気づくシーンが幾つかあります。(特に父親役である伊東四朗のセリフのシーンは本作の一番の見所!)普通なら感情を表に出して、ぼろぼろ涙流して大泣きするシーンを撮るんでしょうが、中村監督はそういうことをしません。堺雅人が泣く時間はほんのわずか。ちょろっと涙を流して「あれ、なんでオレ泣いてんだろ?」みたいな、大変抑制の効いた演技。その代わり、観客であるこちらの方が、ぼろぼろ泣いてしまいます。抑えた演出の方が、かえって観る者に大きな感動を与えるという、たいへんよい例だと思います。

 竹内結子も同じく抑制された演技でよかったです。彼のことを思ってメソメソ泣くシーンなんか、一つもありません。素晴らしい。

 「アヒルと鴨のコインロッカー」や「フィッシュストーリー」では、どこかかわいい役だった濱田岳が、今作では意外な役で登場します。異常な雰囲気がたっぷり。アクションシーンも、なかなかのもの。今後も芸の幅を広げて、息の長い役者さんになってほしいものです。

 打ち上げ花火がたいへん効果的に使われています。夜空に光が広がる瞬間に解放されるカタルシスの快感。ぜひ本作を実際に観て味わってください。

 伊坂幸太郎作品は今後もすべて、このスタッフで映画化し続けてほしいと強く希望します。

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