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2010/05/23

DVD「イングロリアス・バスターズ」感想

 タランティーノ監督作品。残酷なシーンが多いためR15指定となってます。

 自分の好きなこと興味のあることには徹底的かつ偏執的にこだわるタランティーノ監督、今作も思いっきりこだわってます。

 冒頭ナチのSS親衛隊長ハンスとの駆け引きのシーンなど、「あ、こいつもうすぐ裏切るな」というのがわかるんですが、そのシーン、見ていて心がきりきり痛い痛い。

 ブラピ率いるバスターズのメンバーが、捕虜にしたナチを思い切りバットでぶん殴るシーンも、ぐしゃっとつぶれる感触が直接こっちに伝わってくるようで、痛い痛い。

 また、ラスト近く、ヒロインが撃たれて倒れるシーンは、色彩、テンポ、さらにバックに流れる音楽の三拍子そろった名シーンです。ため息モノです。

 妻が以前、「北野監督とタランティーノ監督の二人の共通点は、殴られたり切られたりするシーンを、本当に痛そうに撮るところ。他の映画では、殴られて血が流れていても、ちっとも痛そうに見えないんだけど、この二人の映画だと、見ているこっちが痛くなってくるのよね。」というようなことを言っていました。

 破壊と暴力、嫌悪しつつも、なぜか惹かれる。人間の奥底に隠れている本能をちくちくと刺激する、まれな才能を持った監督だと思います。

 最近、ヒトラー暗殺計画を描いた別の映画がありましたが、計画が甘すぎたため、暗殺に失敗するというストーリーをたいへんシリアスに描いたため、かえって「あんたらいったい何やってんですか」と、冷めた感想を持ってしまいました。しかし本作では、完璧に作戦が進行します。あえて言えば、ほっといても焼け死ぬんだから、なにも銃弾打ち込むために二人のバスターズ隊員を劇場に残す必要はなかったんじゃあないかと。まあ、でもあのシーンがどうしても撮りたかったんでしょうね、きっと。

 本作の、もう一つのすばらしい点は、ドイツ兵はちゃんとドイツ語をしゃべり、アメリカ兵は英語をしゃべるというところ。まあ、言語の違いは、ナチ親衛隊とバスターズの駆け引きで重要な要素となっていますから当然でしょうか?

 ブラピが、この役作りのため、10キロぐらい太ったような感じで、面の皮の厚いバスターズ隊長を演じます。こんな役もできるんだなあ。いやハマりすぎです。よかったです。

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