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2010/02/20

DVD「つみきのいえ」感想

 一見ヨーロッパのアニメ、例えばフレデリック・バックの「木を植えた男」を思わせるタッチですが、制作者は日本人です。よくある日本のアニメのように、キャラクターの輪郭線の中に、指定された色をベタベタ塗りつぶしていく塗り絵方式ではありません。どこで止め絵にしても、一枚の風景画のようなタッチです。
 エンドロールも含めて全部で12分です。あっという間に終わるので、二回、三回と繰り返して見ても苦になりません。セリフが一切ない作品なので、何度も見て、シーンごとのセリフや背景のイメージを、頭の中で膨らませながら見ましょう。
 長澤まさみのナレーション入りバージョンもメインメニューから選べます。何回か見て、ある程度自分なりのイメージができてから、こちらを見ると、「ああ、こういう解釈もできるのか、それはそれでアリかな」と思えてきます。
 ストーリー自体は、老人があることをきっかけに過去を回想するという、よくあるパターンなので、一歩間違うとお涙ちょうだいのグズグズな作品になってしまうのでしょうけれども、本作はなにしろ12分で終わります。のめり込んで泣いてしまう前に終わってしまう。これはすばらしい。演出も淡々としていて控えめです。おじいさんの感情表現が抑制されています。押しつけがましさがないので、見る方が好き放題イマジネーションを膨らませることができます。バックに流れる音楽もすばらしい。エンドロールを見ると、栗コーダーカルテット(NHK「ピタゴラスイッチ」テーマ曲担当)のメンバーだそうで、納得。
 設定は、町が次第に水没していく、そんな中で一人暮らすおじいさん、というものです。地球温暖化問題に対する警鐘なのか? いや、そこまで大上段に構えて見る作品ではないと思います。ゆったりした気分で見ましょう。

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