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2009/10/10

映画「おくりびと」感想

 テレビで早くも放映されたので、ありがたく拝見しました。実にまっとうな映画でした。

 前半で、知人にせっかくもらったタコを、くねくね生きてるからという理由で川に逃がしてしまうシーンがあります。でも、逃がした時にはタコはもう死んでいた。ぷかぷかと川に浮かぶタコの死骸。どうせ死ぬのなら、ちゃんと食べて、自分の栄養として、生の糧として、役立ててあげれば、まだよかったかもしれない。これは後半の、フグの白子のエピソードで生きてきます。生命そのものを食べる行為が、「うまいんだよなあ。困ったことに。」というセリフにつながっているのですね。

 露骨な職業差別は結構見ていてへこみました。奥さん(広末涼子)の「さわらないで、穢れる」とか「子どもに、ちゃんと自分の仕事を言える?」とか、走り屋の高校生のせいで事故死した娘の親族が、葬儀に来たヤンキー高校生に向かって「一生あの人(本木君を指さして)みたいな仕事してつぐなうか?」「すみませんでした」とか、そうか、そんなにみんな、心の底からこの仕事を蔑視してるのかって、思い知らされるようにドラマは進行します。そういう風にこの映画は作ってあるわけです。

 「そんなに死体に触った手はいやか? そんなに死は恐ろしいか? 忌み嫌うものなのか? 穢れは移るものなのか? でも、自分の肉親の死体なら別なのかよ? 肉親の死体ならさわってもOKだけど、他人の死体はダメ? それって、かなり自己中心的な考え方のような気がするんですけど。それともそう思う私のほうがおかしいんでしょうかね? 納棺師って、普通にいい仕事じゃん。死者をすごく大切にする姿勢とかさ。」

 映画は、見ている者が上記のように思ってしまうように、ドラマを展開させていきます。で、奥さんも実際にその目でダンナの仕事ぶり、心の籠もった対応ぶりを見て、考え直したりします。このあたり、わかっちゃいるけど、いい展開です。

 ところで、納棺師って、いつから生まれた職業なんでしょうか? 今はこういうスタイルがスタンダードなんでしょうか? 私の祖母が亡くなった時は、私の母や叔母達が、みんなで湯灌して、化粧を施してから納棺してましたが。・・・本来は親族がする事のような気がします。

 それはさておき、本木君、こういう所作の美しさが必要な役、まさにはまり役ですね。本当に美しかったです。

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