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2009/04/05

菅広文「京大芸人」感想

 難関大学出身のお笑いコンビ「ロザン」の菅広文が書いた大学入試自伝である。

 菅は大阪府立大学中退、相方の宇治原は京都大学法学部卒業。確かに超高学歴コンビである。偏差値だとそれぞれ60代と70代なのだから。「芸人になった時に京大出身や言うたら、それだけで売りになるから」というのが京大に入った理由であるらしい・・・。

 読んでいると妻が「その本の作者って、どんな人なん?」と聞いてきた。「この間テレビに出とったよ」「ふーん、おもしろかったん?」「いや・・・まあ普通?」「なら読まんとこ」ドライな反応である。せっかく京大入ったのに、世間の主婦の目は厳しい!!

 本の内容は、お笑いよりも、相方の宇治原がどのような勉強方法で京都大学に一発合格したか、そちらのほうがメインになっている。受験生のためにいくつか要点を箇条書きしておこう。

○3年になったら、まず京大の赤本(過去問)を買って問題のレベルや傾向を把握し、1年間の勉強計画を立てる。ちなみに宇治原はこんな計画を立てた。

○4月から6月までは暗記

○7月から9月までは基本問題

○10月から12月までは応用問題

○1月、2月は過去問題

ちなみに授業がない日のスケジュールは

7時起床 8時まで食事等 8時~12時勉強 12時~1時食事等 1時~6時勉強 6時~9時食事とテレビ 9時~11時勉強 11時~12時風呂等 12時就寝

宇治原のあだ名は「高性能勉強ロボ」1日11時間の勉強時間である。「観たいテレビが10時にあったらどうすんの?」「録画して次の日の6時から9時の間に観る」「俺が10時に電話したらどうすんの?」「でえへんよ」

○日本史

・菅のやり方

 まず「縄文時代」なら教科書の縄文時代のところを読む。そして縄文時代の問題を解く。いい点が取れたなら次の「弥生時代」に進む。

・宇治原のやり方

 教科書をずっと読む。初めから終わりまで。読み終えるともう一度初めから読み始める。ずっとその繰り返しで問題をまったく解かなかった。

「お前、問題解けへんの?」「まだその時期じゃないから」「なんで教科書を最初から最後まで読むの?普通、時代ごとに読めへん?」「奈良時代、平安時代、鎌倉時代って憶えると平安と鎌倉どっちが先やった? ってなるやろ? 歴史はひと続きのドラマやと思ったらええねん」

○数学

・菅のやり方

 ひたすら問題を解き、答え合わせをする。

・宇治原のやり方

 ひたすら暗記。公式だけじゃなく問題と解き方を全部暗記。

「問題解けへんの?」「まだその時期じゃないから」「これ全部憶えるの?」「うん」「めっちゃ多くない?」「いや、数学は問題のパターンが少ないから同じような問題がテストによく出るねん。だから問題と解き方を暗記しておいて、テストで出た時に、これはあの問題だとわかったら、あとは数字をそのテスト問題に合わせて暗記した解き方に当てはめるだけでいいねん」

○英語

・菅のやり方

 英単語帳を暗記。

・宇治原のやり方

 教科書や問題集に載っている例文をまるまる暗記。

「単語帳で憶えへんの?」「単語帳で憶えても、出ない単語のほうが多いやろ? それやったら問題集や教科書に載ってる単語のほうが出やすいし、例文で憶えたほうが長文問題やるとき使いやすいやん」「どうゆうこと?」「たとえば『私はアメリカに2回行ったことがある』いう文章を憶えたとするやろ? ほんなら『彼はテニスを3回したことがある』という文章にも対応できるから、逆に単語憶えてなくてもだいたいの意味がわかるやん」

○国語

・菅のやり方

 必死で漢字や文法を憶える。

・宇治原のやり方

 新聞を読む。「新聞読んでたら時事もわかるし、コラムも書いてあるから小論文の書き方のお手本にもなるやん」

○理科

・宇治原のやり方

 理科は暗記ではなく、初めから問題を解く。「理科の場合は特に数字が変わってるだけで、前と同じ問題やったってことが多いねん。あと数学と違って語句を憶えなあかんけど『このような状態をなんて言いますか」のように解いただけで語句を憶えていけるような問題が多いから、何回も同じ問題を解いたほうがいいねん。ほんなら自然と暗記するやん」

○宇治原は教科書にアンダーラインを引かない。理由は「教科書に載ってることなんか全部重要やん」 (ごもっとも・・・)

○宇治原の暗記スタイル・・・「書く。声に出す。歩き回る」まず憶えたい事柄をノートに書き、小さい声でぶつぶつとつぶやき、歩き出す。これを4月から6月までひたすら続ける。(確かに歩き回るのは眠くならないしいいかも)

○9月からの問題集の解き方

・国語と社会は違う問題集を何冊もやる。

・数学と理科は同じ問題集を何度もやる。

「国語や社会の文系科目は問題の種類が多いからできるだけ問題をいっぱいやって、問題の種類を見ておいたほうがいいねん。逆に数学や理科の理系科目は同じパターンで、数字だけが変わっていることが多いから、同じ問題を何回もやってやり方を憶えたほうがいいやろ?」  

 菅は1年目は不合格だったが、2年目に宇治原の言ったとおりに勉強したら無事合格したという。さあ、みんな、参考になったかな? (いや、普通の人間には、こんなに暗記できっこないって!!)

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