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2008/11/02

映画「1735km」感想

 ベトナム映画です。

 ベトナムの北端ハノイから南端のサイゴン(現ホーチミン)までを旅する男女二人のロードムービーです。

 クリーニング店で店番をする中学生の女の子のセリフで、映画はスタートします。このお店をよく利用する画家の青年がいるのですが、彼はお話がすごく上手で、お店に来る度に、虚実織り交ぜた青春恋愛体験談を彼女に語ってくれます。本作のエンディングは、青年の話の跡を継いで彼女が想像したストーリーという設定になっています。

 そういうわけで、話のあちこちにありえない展開が見られますが、もともとが、女子中学生を楽しませるためにでっちあげた青年のお話という設定らしいですから、あまり目くじら立てて見ては行けません(笑)。

 監督の狙いは、ストーリーの展開とは別の所にあるようです。

 ベトナムの町並みが、下半分は商業主義で改装されているのに、恋する二人が寄り添って見上げると、そこには伝統的なベトナム建築の二階部分が残されていて、「きれいだね」と語り合うとか、「西洋のドレスよりアオザイがいい」とつぶやいたりとか、映画の根底にあるのはベトナム伝統文化のよさを見直して欲しいという監督の思いのようです。

 ただ、結婚に関しては、親が強制的に相手を決める伝統はよくないという考えのようで、恋に落ちた王女が駆け落ちをするベトナムのおとぎ話と、恋する二人の行動がオーバーラップされて語られたりします。

 狙いはまあわかるのですが、見終わった後、「なんてベトナムは美しい国なんだ。」と思ったかというと、全然そんなことはありませんでした。う~ん、監督さん、これは失敗作かな?

 ただ、恋愛に対する青年の語りが、ラスト直前に延々とあるのですが、それが誠実なセリフだったのは好印象でした。単に「親に強制される結婚は絶対反対」という単純なものではなく、お互いがお互いを高めあい、尊重しあえる関係が本当の恋愛ではないかというような語りです。

 まあ、でもせっかくのロードムービーなんだから、その土地その土地のベトナム料理やベトナム音楽、そこで生活する人の様子や信仰心とかを取り入れたりしたら、もっとよかったんじゃあないでしょうか? 

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