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2007/07/29

柴田よしき「小袖日記」感想

 主人公は落雷に打たれ、タイムスリップします。そしてなんと、「源氏物語」の作者、紫式部お付きの女房(小袖)となり、ネタ集め係としてあちこちに取材に行くというストーリーです。

 その過程の中で、源氏物語で特に有名な夕顔 末摘花 葵 明石 若紫の巻が、実はこういう裏話があった上で作られたんだということが明かされていきます(ネタバレになるので秘密)。

 なるほど、こういう風に読むと、源氏物語もまた違った趣があるな。という新鮮な驚きがまずあります。

 ただ、主人公は女性なのですが、作者は男性、しかも相当なオヤジだろうなと感じてしまう部分が数カ所あり、それはちょっと興ざめです。でも、それを差し引いても、今も昔も男性は女性をちっとも幸せにしていない。現代の女性が抱える悩みも、平安時代の女性が抱えるそれも、変わりはないんだという作者のテーマは切実に伝わってきます。そういう弱い立場の者たちへのいたわりが、あちこちの行間からにじみ出てきます。

 若紫の章、ロリコン源氏が少女を自分好みの女に育てようとするあたりを読んでいて、つい最近、アキバ系オタク対象に結成されたアイドルユニットの新曲を思い出しました。「ビンゴビンゴ。あなたに出会うまで、誰にも見向きもせずにこれまで生きてきてよかった。」みたいな、本当にロリコン男性のために都合良く作られた歌詞・・・。秋元さんって、商売上手だなあ・・・いや、ホント。

 ラスト、主人公がしっかり前を向いて歩み出すシーンはさわやかです。

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