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December 30, 2005

千住文子「千住家にストラディヴァリウスが来た日」感想

 以前、映画「がんばっていきまっしょい」の曲が聞きたくて「NEW ASIA」というCDを買いました。その中に、千住明作曲、千住真理子ヴァイオリン演奏の、NHK朝の連続テレビドラマテーマ曲があり、お気に入りの一曲になりました。

 最近になって、またまたNHKなんですが、アニメ「雪の女王」を子供たちといっしょに見るようになりました。オープニング曲にすっかりはまりました。画面には千住明作曲、千住真理子ヴァイオリンとありました。

 そういうわけで、「千住家って兄弟して音楽のプロなんだ。きっと家はお金持ちの音楽一家なんだろうなあ。」勝手にそう思っていました。

 ところが全然違ってました。

1.音楽一家なんかじゃない。父は慶應義塾大学名誉教授・工学博士。母は明治製菓研究員で抗生物質の研究に従事。完全に理数系じゃないですか。

2.お金持ちなんかじゃない。千住真理子がプロの演奏家になるためヴァイオリンを買おうとするのですが、父親はそのお金が工面できない。なんとか苦労して買ったヴァイオリンも、どうやらプロが持つものとしてはかなり低価格のものであるらしい。しかも、千住真理子は十数年かけて父親にその代金を分割で払っている(泣かせる)。

3.しかも、千住真理子は音楽大学ではなく一般の大学に進学した!!

 これだけでも驚きですが、これだけでは済まないのです。300年の長きにわたりスイスの大富豪の手元で眠り続けていたストラディヴァリウスが、なぜか千住家にやってくるのです。そう、まさにやってくるという表現がぴったりきます。常識的に考えたら、お金持ちの演奏家のところへまっすぐ行きそうなものです。ところがなぜか他の演奏家たちは、それぞれなんらかの事情のため購入を断念するのです。とはいえ、貧乏な千住家には数億円もの大金を用意する担保などどこにもありません。タイムリミットが近づいてきます。この期限をすぎると、ストラディヴァリウスは今度はアメリカの演奏家の手元に行ってしまう。ぎりぎりの状況の中、奇跡が起こります。

 スイスの大富豪の「決して商人の手に渡してはならない。博物館や美術館に展示されるのではなく、純粋なヴァイオリニストの手に渡って、現役の楽器として音楽を奏で続けてほしい。」という遺言はかなえられます。

 まさに運命のように、スイスの大富豪の遺言どおり、この名器は千住真理子の手元にやってくるのです。

 こんなことって、本当にあるんだ。実話ってなんて感動的なんだろう。

 小学館の「クラシック・イン17」というCD付き雑誌を買うと、千住真理子の弾くストラディヴァリウスの音色と、以前のヴァイオリンの音色とを聞き比べることができます。ややメタリックな響きを持つ以前のヴァイオリンに対し、ストラディヴァリウスは、まるでヴィオラを思わせるような豊かで艶のある響きを聞かせてくれます。

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Comments

TBありがとうございました。
たきたきさんの文章を読ませて頂いて、本を読みながらデュランティーがやってくるまでのワクワク感とドキドキ感が再び蘇ってきました。千住家の素晴らしいポリシーと、真理子さんの美しい心がこの楽器を引き寄せたのでしょうね。パール展は行かれましたか?明さんの編曲による真理子さんの演奏がテーマ曲となってかかっていました。上品でけがれないパールがぴったり、これからが楽しみです。今年、真理子さんの演奏会があればなるべく行こうと思いました。

Posted by: hippocampi | January 05, 2006 at 06:47 PM

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